コロナ禍の中、企業はその持続的な価値創出のため、在宅勤務を基本とした労働環境にシフトしてレジリエンスを高めるために必死な状況です。
このようなビジネスを取り巻く急激な内外の環境変化に対応し、ステークホルダーニーズの変化にしなやかに対応するためには、効果的なITガバナンス態勢の整備が必須です。
ISACA国際本部において、このようなコロナ禍におけるITガバナンス態勢の整備について、COBIT 2019のガイダンスに従うのが効果的・効率的であるとの投稿記事が本年2月と5月に2件掲載されました。
COBIT 2019の有用性を示す記事であり、ここに抄訳を提供することによって皆様と共有したいと思います。詳細はリンク先の原文記事(英語)を参照ください。
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「COBIT 2019活用によるCOVID-19の影響を積極的に軽減」
Using COBIT 2019 to Proactively Mitigate the Impact of COVID 19 (isaca.org)
Abdul Rafeq, CISA, FCA著、2021-2-16
<抄訳>
COVID-19危機により、企業の規模の大小にとらわれず技術の適用が待ったなしの状態である。多くの人々が在宅勤務にシフトし、技術を活用してお互いにコミュニケーションを取りながらコロナ禍で働き続けている。
COBIT 2019はガバナンスとマネジメントの態勢を整備し持続させるために使用するコンポーネントを定義している。COBITのコンポーネントや知識リポジトリを適切に使うことにより、企業はCOVID-19のチャレンジ対応に力を与え、レジリエンスを高め、企業の目標達成に向けた強健なプロセスを提供する。
COVID-19のチャレンジによりテクノロジーを活用したデジタル化情報システムは柔軟にしなやかな業務を確保するための重要な成功要因となる。
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「COBIT 2019を活用したガバナンス態勢を整備するシステマチックアプローチ」
A Systematic Approach to Implementing a Governance System Using COBIT 2019 (isaca.org)
“A Systematic Approach to Implementing a Governance System Using COBIT 2019: A COVID-19 Case Study”
Author: Abdul Rafeq, CISA, FCA およびNarasimhan Elangovan, CISA, CDPSE, FCA著、2021-5-26
<抄訳>
ISACAが開発した「COBIT 2019デザインガイドとツールキット:情報と技術のガバナンスソリューション」によりCOBITプロセスやExcelワークシートによる完全なコンテンツを提供している。これにより、COBITのコンテンツを選択することにより、簡単にカスタマイズすることができる。
成功している企業は適切なプロセスと統制によるガバナンス態勢に組み込まれたレジリエントな業務を確保することによりCOVID-19によるリスク要因を軽減する手段を提供する。ガバナンス態勢の重要な差別化要素は、トップマネジメントの関与による、全社ITに関する意志決定の仕組み、組織体制、モニタリングの実施である。COBIT 2019のステークホルダーニーズから出発する事業体達成目標、整合目標、ガバナンスとマネジメントの達成目標へのカスケードモデルや7つのガバナンスとマネジメントに関する構成要素ガイダンスを提供する。
COBITコンテンツは元来ジェネリックなものであり、実務に役立たせるためにはカスタマイズが必須である。業務分野の専門家がCOBITの知見のある専門家と一緒に、COBIT2019のデザインガイドと導入ガイドを参考に効果的なカスタマイズが可能となる。